人生50%
「赤頭巾さん」

おやおやどうぞこちらに。

お寒うございましたでしょう。
そんなに息を切らして。
なにせ最近急に寒くなりましたな。
見たところ外国のお方のようで。
大変でございますな。赤い・・・それはなんですか?
ちゃんちゃんこではないようですが・・・?

まぁこの時代です。隠したいことの一つでもありましょう。
この国では「聞くのは{やぼ}と申しますでな。

さぁ。こちらに来てあたたかいたぬき汁でもいかかです?
これは「いろり」と申しまして。
汁は先ほどうちの主人が捕らえたばかりのものです。

ところで・・・
二、三お聞きしても?

どうしてそんな小さな頭巾をかぶってらっしゃるのですか?

「それはこの寒さで。どうにもかぶるものがなかったのです。」

そうですか。それにしても大きなお口にお耳。あら失礼。なにぶん外国の人を見るのがこんな山奥に住んでいると初めてなものですから。

「え、ええ。わたしの国ではみなこんな耳と口をしております。」

そうですか?そんなに毛深いのであれば、さぞこの時期でも暖かいでしょうに。

「そ、そうでもありません。普段でも寒いくらいで。」

ああ。だからそんなに震えていらっしゃるのですね。まるで自分がとって食われるみたいに・・・。

「・・え!!!?」

ああ。ご安心ください。汁に毒など入ってはいません。
あたしゃ人間しか食いやしませんよ。



さぁ、わたしは包丁を研ぎにまいりますので失礼。


・・・・うまそうな狼だねぇ。




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