「少年と猫」

誰も知りませんでした。

少年は猫の頭を撫でる。

かの場所は、こんなにも寂しい事を。

少年は猫を抱きしめる。

彼は、一人暗闇の中。

少年は猫と座り込む。

オモイデをただ壁に見て、幸せを噛む。

少年は猫の前足を握る。

押し出された、幸せな記憶はもう尽きた。

少年は猫の額に頬を寄せる。

入口など初めから無いような暗闇を見つめる。

少年は猫を抱きしめる。

かすかに聞こえる音。

少年は猫をぎゅっと抱きしめる。

ラジオでいつか聞いた、古い曲。

少年は猫の鳴き声に気付いた。

だれかに救いを求める事は罪だと思い込む彼。

少年は猫と眠る。

しらないだろう、神すらも。

少年は猫を抱きしめたまま眠る。

ての届かない暗闇は、ただただ冷たい。

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