あーみ
「バス」

きいろのバスがブオブオ走って行く。
街中を、サラリーマンのうらやましげな眼差しを浴びて、
軽快に走って行く。

きいろのバスがプップッ走って行く。
森の中で、青い蝶とダンスしちゃって、走って行く。

きいろのバスがポンポン走って行く。
夜には星と星の間を、まるで銀河鉄道気分で(バスのくせに)くねくねと走り回る。星が、迷惑そうに、ちょっと瞬きする。

きいろのバス、夢のバス、幸せのきいろいバスは、
ある日、砂丘に現れる。
車輪の跡が風紋に見間違う。

抜けて、さらって、飛んで行く。

きいろのバスの運転人は透明人間だ。
とてももの静かな彼のハンドルさばきは、バスを運転するためにこの世に産まれた一級品。宇宙人にも解析不可能。溜息がでるほど、素敵なんだ。

きいろのバスが走り出す。
そのバスに乗っているのは、きみ。
本当は、きいろのバスにはきみしか知らないふわふわの、しとしとの、
いろんな空気の粒がバスいっぱい膨らんでいる。
出発進行、行く先はきみまで。
運転人が多分ふっと笑ったけど、透明人間だから見えなかった。

きいろのバスがブオブオ走って行く。
街中を、サラリーマンのうらやましげな眼差しを浴びて、
軽快に走って行く。

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