改めドロップ
「永遠に寄せて、ここに贈る」

『西田 70点』


そう確信したときには、彼はもうこの世界にはいなかった。


『豊田 61点』


今から467年前に死んだ彼は背が高く、人形のように整った顔立ちで、しかし淀んだ目をした頼りなくだらしがない男だった。
16歳で家出して、30歳の誕生日を間近に控えた秋の晩に、テープレコーダーに恋人へのメッセージを吹き込んだ後、家出をしたときに家から唯一持ち出したナイフで喉を掻き切るまで、彼は一度も働かなかった。


『中本 18点』


    「なぁ...オレだ。あのさ、まぁ...何てゆうかさ、
     とにかく、いい?まぁ聞いてくれよ。
     17の誕生日も...それから30、43の誕生日も
     一度しか来ないんだ...なぁ、聴いてるか?
     一度しか来ないんだ......じゃあ............。」


『吉川 97点』


私は彼が自ら喉を掻き切ったときに使ったそのナイフを持っている。
ナイフの柄の部分は木製で、そこには

        【F.O 16歳の誕生日に 両親から】

と彫られている。

467年の歳月が流れても、それはハッキリと読むことができる。


『高田 47点』


僕は何も感傷に浸ってそんな話を誰かにしたいわけじゃない。
そんなのはね、ホントに、サイテーな奴がすることさ。
俺はただここにいて、こいつを育てるだけさ。
                         
                            イブ・ヴィノ


『杉山 72点』


確信のことじゃない。

呼吸をして、耳をすませれば、誰もが、永久に、逃げられない。

それでは。


『仲田 78点』


『寺島 34点』


『三上 85点』

   
       御伽噺に出てくるような 分厚く暗い雲が 

       ずっと向こうまで続いて 街は霞んでいる

       やっとこれが 本当の景色なんだ

       終末思想も 初期衝動も 変質的純愛も 暖色の親しみも
       
       あのコンクリートの 冷たい影と
 
       公然とした 鈍い光に 嗤われた今

       長い長い坂道の途中で思い出すのは 妹の顔
       
       まだ幼い 世界の 記憶
   
       風が スカート 揺らした


『町田 66点』


『小山田 10点』


帰り道には必ずといっていいほど防波堤による。
沢山のゴミが打ち上げられ、潮のにおいがひどいうらぶれた海岸の砂浜を、制服が汚れるのも気にせずに防波堤に向かって歩く。


お母さんはまた怒るだろう。


防波堤の先には、先月のはじめから首の無いスクーターが沈んでいる。
そこから染み出す油が海面を覆い、波に揺られて少しずつ広がってゆく。

強烈な西日が降り注いで、油膜は鈍く色付いた。


お母さんはまた怒るだろう。


『新田 82点』


『佐藤 79点』

 
      生きている魚は いつもどこか不自然だ


『平井 94点』


『松田 100点』
 
よくやったな、おめでとう。
お〜い、お前らー、松田を見習えよー。な〜。

『安西 63点』


『瀬川 89点』


   あかオニは アスファルトの上に転がる
   死んだ言葉達を拾い集める。

   今日は2ヶ月に一度の晩餐会だ。
   メインディッシュの特性スープには、死んだ言葉が欠かせない。

   バチバチと音を立てる鉄塔の
   足元にある小さな小屋の中で
   晩餐会は始まる。

   真新しいテーブルクロスに、香りのいいローソク。
   それに、できるだけ音数の少ない曲ばかりを集めたレコード。
   特性スープも出来上がり、準備万端だ。

   あかオニは、部屋中に高く詰まれた
   世界中の人々のくちづけが記録されたフィルムケースを幾つか取り出して
   映写機にセットし、流し始めた。


   壁に映し出されたくちづけに
   レコードが踊り
   夜が動き出す



   愛し合う人々のくちずけは 

   この世界で最も美しい


   それだけ


   きっと 


   それだけ


   おやすみ あかオニ


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