改めドロップ
「ふたり」

浮浪者は死んでしまえと、テレビは言った。
匿名希望、午後のひと時。

細い指に呼ばれた猫は素直に首を横に振った。
まだ火の点けられたばかりのタバコが弾き飛ばされる。

捕まった制服は繰り返される質問にうんざりしている。
眼鏡のレンズに映るモデルはどこか悲しげ。
彼女の憂鬱を決して知りたくは無い。



ふたりは窓際のベッドで寄り添う。
静けさの中の硬い体。
互いに分かち合えるものは、
もうほとんど残ってはいないみたい。



渇いた路面に広がる水は何処まで行けるだろうか。



ふたりは短くキスをして、
揃いのモデルガンをこめかみにあてた。
目を閉じてなにかつぶやいたあと、
ゆっくり引き金を引いて死んだフリをする。



ふたりは窓際のベッドで寄り添う。
騒々しい明日が訪れるまで、
ふたりは死んだフリをする

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