けんしョう
「鋏のイメージ」

幕開け
 
 ライトアップ

「綺麗に切ろう」
 少年、呟く。
「チョキチョキチョキ」
 少女、呟く。
「何を切ろう?」
 少年、手に持った鋏を開く。
「私は決めた」
 少女、手に持った鋏を開く。

 暗転

 色とりどりの鋏が落ちてくる。上から下へと、パラパラと。ガタン、ゴトン。木製の床に落ちては音を立てる。鈍く、切れ味の悪い音。カタン、ゴトン、コトン、カタン、カタ、ゴトン、ゴト、カタン、ゴト、ゴトン、カタン、ゴトン、ゴト、カタン、カタ、カタ、ゴト、カタン、ゴトン。
暫くして鋏の雪は止む。それに伴い、音も止む。色とりどりの鋏が地面に積もる。静寂と共に。

 暗転

「何を切るの?」
 少年、少女を見つめる。
「視界」
 少女、鋏を突き出す。大きな刃が光を反射して煌く。
「チョキン」
 少女、声と共に鋏を閉じる。

 ライトダウン。

「何も見えない」
 少年、呟く。
「視界を切ったから」
 少女、呟く。
「なら僕はこの物語を切ろう」
 鋏を閉じる音。シャキン。

 幕引き。












 微かに幕がゆれる。

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