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papehiko 「給食のおぢさん」 |
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深夜11時すぎ。
ベテラン警官の田村ゾルディは、不審者を見つけた。 「おい、貴様」 「え、私ですか?」 その中年男性は、Tシャツと短パンの上から、ピンク色のエプロンを身につけていた。 「新手の変態だな?」 ゾルディ警官は、単刀直入に聞いた。 「ま、まさか変態じゃありませんよ。私は、小学校で給食調理員をしている者です」 そう言って中年男は、胸元に付いている名札を見せた。 「…ラクダ小学校か。なるほど、近所だな」 「はい。そこで給食のおぢさんをやってます」 エプロン中年は、すこし緊張している様子だった。 「とりあえず、今日の献立を言ってみろ」 ゾルディ警官が、鋭い質問をする。 「えーと、今日はですね、サバの味噌煮、豆腐とナメコの味噌汁、タコとワカメの酢の物、ごはん、牛乳でした」 エプロン中年は、スラスラと答えてみせた。 「冷凍ミカンは?」 間髪をいれず、ゾルディが尋ねた。 「今日の献立には無かったです」 「とうとうボロを出したな! 俺が小学生だった頃は、冷凍ミカンが毎日のように出たものだぞ、この変質者め!」 ゾルディ警官が、いきなり怒鳴りはじめる。 「あ、あのう昔はそうだったかもしれませんが、私のところでは毎日は出ないんです」 無茶苦茶な取調べに、エプロン中年は困惑している。 「ワカメご飯は?」 唐突に、ゾルディが質問を変える。 「今日は、普通の白米でしたけど…」 「違う。あのワカメご飯というのは、どうやって作っているのかと聞いておるのだ。あの塩気の強いところと、ほとんど塩気の無いところとのギャップが美味しいじゃないか、そうだろう? そうだな!」 「あ、はい、そうですそうです」 としか答えようがない。 「教えてくれ。学校給食におけるワカメご飯の塩気のギャップとは、いったい何なのだ?」 ゾルディ警官が、一転、優しい声色になる。 「うーん、そうですねえ…あえて言うならば、われわれ給食調理スタッフの汗と涙に含まれる塩分でしょうかねえー」 エプロン中年は、軽いジョークを交えて答えた。 「給食への異物混入ならびに中年のくせに夜道をエプロン姿で歩いたことによるわいせつ物陳列罪の現行犯で、貴様を逮捕する!」 「え? ちょっとした冗談ですよう」 「あやまれ! ワカメご飯に謝れ!」 その後、エプロン中年は起訴され、懲役6年の刑に処された。 |
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