レオパレス22
「愚かな未来日記〜1〜」

私は誰にも言えない秘密を抱えて今日まで生きてきた。
最愛の妻も知らない、娘や孫たちももちろん知らない。
ただ近頃体が思うようにならなくなってきて、
さらには記憶のピースもあちらこちらで喪失してきている。
誰にも語るつもりはなかったのだが、
私が体験してきたことを伝えずして私の記憶ごと墓に持っていくのはどうにも耐え難い。
よって文章にして伝えることにした。


あの当時私はまだ四半世紀も生きない若者だった。
ただ現在の若者たちと、というよりは現在生きるすべての人たちとは生きる世界が根本的に違っていたであろうことはしょうしょう歴史をかじったことのある人間なら想像に難はないであろう。
その当時の世界情勢は壊れた歯車のように完全に狂っていた。
そんな中でも南北朝鮮が再び一つになることが決まって、大韓民国の首相が北朝鮮人民共和国を訪問した時のことであった。
我が国日本はその当時アメリカと真に平等関係を構築するため以前までのアメリカ追従の政策から転換したところだった。
ただこの政策は今じゃとても考えられたものではなかった。
憲法の改正はもちろん、日本が主権国家として存在を誇示するには武力を持つしかないという安易な思案から大きく世界の大国から反感を買ってしまう結果に終わった。
必然的に大国との外交は乏しくなり、後進国からエネルギーを輸入することに終始終わってしまっていた。
この段階で日本は実質鎖国状態に陥ってしまっていたし、
国連軍による武装解除の勧告を再三にわたって無視した日本に対して大国が合同で日本内政への武力干渉まで秒読み状態だった。日本も徴兵制を再び義務かしたりして対抗措置をとっていた。私は大学で特殊工作員養成プログラムを受け、外交大使として大韓民国に派遣されていた。
ただ私が韓国に潜伏したのは和平協定を結ぶのでもなんでもない。
朝鮮半島を再統一させる前の比較的兵力や戦略が散漫なうちに先制攻撃を仕掛けておきたいという意図があっての派遣であった。そのため私は韓国の内政やその周辺諸国との我が国に対する作戦や情報を集め本国の上層部に密告する、
いわゆるスパイとして韓国の地を踏んだのだ。
私が今まで隠し通した秘密は韓国で、それも朝鮮半島再統一の日に起きたのだ。


年のせいか文字をつ綴るだけでかなり頭も体も疲労してしまった。少し紅茶でも飲み続きはまた後日書くことにする。

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