レオパレス22
「親父」

目がめた。横目で時計を見やった。まだ四時前だ。起きるには早いが何よりのどが乾いた。水を飲もう。
体が動かない。目は開いているなのに体が動かない。部屋の扉が開く。一人暮らしの僕の部屋の扉が開く。黒い影が入ってきた。歩いてくる。怖い怖い。
目が瞑れない。見たくもないのに目が瞑れない。黒い影が僕の上に馬乗りになる。胸が圧迫されて呼吸が苦しい。どいてくれよ。暗闇に目が慣れてきた。
死んだはずの親父が僕に馬乗りになって笑ってら。親父何しに来たんだよ。息が苦しい。僕はまだそっちに行くには早すぎるよ。その要素もないしな。親父はにたにた笑ってる。
親父が僕の目を手でふさぐ。何も見えなくなる。待ってくれよ親父。僕はまだ行かないって言ってるだろ。親父の手が目の前から消えた。日が昇っていて体が動くようになってる。


久しぶりに仕事も休みだし墓参りでも行くか。
墓の前には喪服姿の長蛇の列。こんな季節はずれにどうしたんだ。先頭には涙の母。声をかけても何も返してこない。墓石を見る。親父の名前。の横に俺の名前。あれ、俺死んでんの?

気づくとにたにた親父が笑ってら。

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