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papehiko 「パラノイア亭」 |
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トリガラスープの旨そうな香りに誘われて、青年は、その店を初めて訪れた。
「てめぇ! 何しに来やがった」 無愛想な店主は、もとよりケンカ腰だった。 「ラーメン、食いに来た」 少し圧倒されながらも、青年は答える。 「うちは、ラメーン屋だ」 と、店主。 「なにさ、ラメーンって?」 と、青年。 「ラメーンは、ラメーンだ」 「じゃ、それ食わせろ」 店主の対応にブチ切れた青年は、わざと乱暴な口調で言ってみせた。 「ラメーンは、食いものじゃない」 負けじと、店主も乱暴に答える。 「じゃあ、ラメーンって何だ」 「うるさい黙れ!」 「客に向かって、黙れとは何だ!」 「何だとは、パンダの親類だ」 「あ、この人、狂ってる!」 青年は、あ然とする。 「狂ってない」 「いや、狂ってる」 「狂ってないもん!」 「狂ってるもん!」 なぜか子供のケンカじみてきたのがたまらなくなり、青年は慌てて店の外へと飛び出した。 「あ、食い逃げ!」 「え? さっき、ラメーンは食いものじゃないって言ってたのに」 青年は、必死で弁解する。 「うるさい、食い逃げ野郎!」 店主は、必要以上に大声で騒ぎたてる。 「おれは何も食ってないぞ」 「いや、食った」 「食ってない」 「食ってない」 「え?」 「確かに、貴様はラメーンを食ってない」 この時はじめて、店主の表情が緩んだ。 「わかっていただけましたか」 「うむ。わかった」 和解のムードが、両者の間に漂いはじめる。 「わかれば、よろしい」 よせばいいのに、青年は偉そうに言ってみせた。 「何だと!」 お約束のごとく、再び、店主はブチ切れた。 |
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