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よっぺけ 「輪廻」 |
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ぼくは…おぼえている。 おかあさんのおなかのうみには,1ぴきのイルカさんがすんでいて,ぼくはずーっと,そのイルカさんといっしょにあそんでいたんだ。 でもそのうち,ぼくは おか にあがらなきゃならなくなって,そしたらイルカさんが,「これはおわかれのプレゼントだよ」って,ぼくのひだりかたに,ちいさいちいさい まわしぐるま のおもちゃをのせてくれたんだ。 ――おかにあがってみてみたら,そのちいさいちいさい まわしぐるまのなかでは,ちいさいちいさいおじいちゃんが,ゆっくりゆ〜っくりあるいていて,でもおじいちゃんはヨボヨボだから,いっつもころんでばっかりで,まわしぐるま はほとんどまわってないんだけど,それでもおじいちゃんは,あるくのをやめないんだ。 そしてぼくはとしをとった―― そして 私 は 年 を取った―― 私は,世間ではもう中年と呼ばれる年代に入った。一方で,私の左肩に乗っかっている 回し車の中にいる人物は,私の加齢と反比例するかのように,ぐんぐんぐんぐん若返り,今では青年の姿になって,疲れることを知らないかのように走り続け,回し車をぐんぐんぐんぐん回転させている。 そして 私 は 年 を取った―― そしてワシは…年を取った……。 …医者にも見放され…ワシは…今この瞬間訪れるやもしれぬ 死 を待つばかりの身となった…。だが 左肩の 回し車 の中にいる人物はこれまでの間も若返りを続け…今では 細胞 のような形になって… 回し車 の中をふわふわふわふわ浮かんでいる…。 すると…その細胞のようなものが 回し車 の外へ…ふわふわと浮かび出て…ワシの目の前で まるで蛍の放つ光のような淡い輝きに満ちたかと思うと…そのまますーっと…消えていってしまった…。 …あぁ 生きるとはこういうことだったのかと…ワシは死ぬ間際になって…悟ったのだ…。 ……… …………… わたしは…おぼえている。 おかあさんのおなかのうみには,1ぴきのイルカさんがすんでいて,わたしはずーっと,そのイルカさんといっしょにあそんでいたの。 でもそのうち,わたしは おか にあがらなきゃならなくなって,そしたらイルカさんが,「これはおわかれのプレゼントだよ」って,わたしのひだりかたに,ちいさいちいさい まわしぐるま のおもちゃを,のせてくれたのよ――。 |
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